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解答速報Answer Bulletin

平成29年度(2017年度) 賃貸不動産経営管理士試験 解答速報






問21について

出題者の意図を汲めば、おそらく1が正解と思われますが、あえて4を正解と主張します。
選択肢1は次のような内容でした。

「借地借家法上の賃料増減額請求権を行使した場合において、相手方がこれを争うときは、調停を申し立てなければならない。」

おそらく出題者は、借地借家法32条及び民事調停法24条の2をベースに作問したと思われます。ちなみに、民事調停法24条の2には、「借地借家法(平成三年法律第九十号)第十一条の地代若しくは土地の借賃の額の増減の請求又は同法第三十二条の建物の借賃の額の増減の請求に関する事件について訴えを提起しようとする者は、まず調停の申立てをしなければならない(1項)。前項の事件について調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、受訴裁判所は、その事件を調停に付さなければならない。ただし、受訴裁判所が事件を調停に付することを適当でないと認めるときは、この限りでない(2項)。」と定められています。
一般に、調停前置主義と呼ばれる制度です。すなわち、訴えを提起する場合は、いきなり裁判するのではなく、まずは調停により公的な話し合いを行うようにするものです。
ただ、訴訟に対するそもそもの考え方として、近代革命以降の多くの立憲国家は、消極司法の考え方を採用しています。とくに、英米法の影響を受けた憲法を採用した我が国は、司法機関が積極的に捜査や司法権を行使するのではなく、証拠収集も、何について訴えるのかも、そもそも訴えるのか否かも、当事者に任されてます。これは、憲法の統治機構の大原則といっても過言ではありません。

話を試験問題に戻すと、「相手方が争う」姿勢をみせて、その相手方が調停手続を申し立てることは可能です。もちろん、この場合も、当事者間で話し合いそれがまとまらなかった場合に、申し立てるものであり、調停の申し立てが義務となっているわけではありません。「訴えるのであれば、裁判所に訴えを提起する前に、調停手続を義務付けている」に過ぎません。

さらに、問題文には、「争うとき」とあります。「争う」=「訴えの提起」ではありません。法律は言葉の学問です。法律用語(しかも条文に明記している要件に関する言葉)を勝手に変えることは公的な文書ではあり得ません。つまり、日本語で争うといった場合には「訴えを提起」するだけの意味ではないはずです。法律に関する公的な資格試験の問題なので、そのあたりをいい加減に使うはずはありません。あえて「訴えの提起」という表記を用いなかったこと、さらに、「相手方」が争うと表記したことに着目するのは、法律家として当然の素養です。

以上から、1が適切でないとした場合には、消去法で4しかありえないことになります。


ちなみに、選択肢4は次のような内容です。

「管理業者は、賃料改定に影響を及ぼす各種要因の変化のうち、有利な変化が生じた場合には、賃貸条件を変更すべきかについて直ちに検討しなければならない。」

この資格試験の実施団体が公式テキストとして発売している「賃貸不動産経営管理士の知識と実務」には以下のような記載があります。

「定期的に、または何らかの変化が現れたときは臨機に市場調査を行い、市場よりも有利な条件に変更するよう貸主に提案する。」

「賃貸条件に影響を及ぼす要因は上記以外にもある。次の要因の変化に気を配り、変化が生じたら、賃貸条件を変更すべきかを直ちに検討するようにする。」


おそらく、出題者が選択肢1を正解とするつもりで作問したならば、選択肢4を、「有利な変化が生じた場合には」という点で、不利な場合にも提案は必要だから、適切とはいえないというロジックを思いついたのかと思います。私も、これまで何千・何万もの法律関連の問題を作ってきたので分かるのですが、文言に拘泥しすぎて論理ミスを犯す典型パターンがこれですね。
すなわち、たしかに、不利な変化が生じた場合にも検討は必要でしょう。しかし、それを問題とする場合は、「有利な変化が生じた場合にのみ」と不利な場合には検討が必要であることを否定しておかないと、解釈が危うい問題となってしまうのです。
この問題文では、「有利な変化が生じた場合には」「直ちに検討する」という部分が文章の骨子なので、なんら間違えていない内容となります。


正式な解答が発表されるまではわかりませんが、私も、大学で法律学を教える立場である以上、法律学の命である、言葉とロジックそして原理原則を重んじ、問題自体に異議を申し立てる所存です。

Kenビジネススクール
代表 田中謙次




予想合格ライン:24±1

問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10
4 4 4 4 1 1 2 2 4 4
問11 問12 問13 問14 問15 問16 問17 問18 問19 問20
1 1 3 2 2 3 4 1 3 2
問21 問22 問23 問24 問25 問26 問27 問28 問29 問30
4 2 3 3 4 3 2 1 3 1
問31 問32 問33 問34 問35 問36 問37 問38 問39 問40
4 3 4 3 2 2 1 3 2 1

※平成29年11月19日現在の解答です。
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