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宅建過去問Exam questions

宅建試験過去問と分析 > 平成28年度(2016年度)分析

平成28年度(2016年度)の出題傾向と分析

平成28年度宅地建物取引士資格試験問題と解答



平成28年度宅地建物取引士資格試験実施結果の概要

1 実施概要

試験日 10月16日(日)
試験会場 47都道府県 203会場 3,813試験室
申込者数 245,742人(前年度243,199人 対前年度比 2,543人、1.0%増)
男 172,623人(前年度172,696人 対前年度比 ▲73人、0.0%減)
女 73,119人(前年度70,503人 対前年度比 2,616人、3.7%増)
 うち、登録講習修了者 49,384人(男33,894人、女15,490人)
受験者数 198,463人(前年度 194,926人 対前年度比 3,537人、1.8%増)
男 138,710人(前年度137,748人 対前年度比 962人、0.7%増)
女 59,753人(前年度57,178人 対前年度比 2,575人、4.5%増)
受験率 80.8% 男80.4%、女81.7%(前年度 80.2% 男79.8%、女81.1%)
 うち、登録講習修了者 89.3%(男88.9%、女90.4%)

2 合否判定基準


 50問中 35問 以上正解
 (登録講習修了者は45問中30問以上正解した者が合格)

3 合格者の概要

合格者数 30,589人(前年度 30,028人 対前年度比 561人、1.9%増)
男 20,450人(前年度 20,471人 対前年度比 ▲21人、0.1%減)
女 10,139人(前年度 9,557人 対前年度比 582人、6.1%増)
 うち、登録講習修了者 8,821人(男5,680人、女3,141人)
合格率 15.4% 男14.7%、女17.0%(前年度 15.4% 男14.9%、女16.7%)
 うち、登録講習修了者 20.2%(男18.9%、女22.4%)
平均年齢 35.3歳 男35.7歳、女34.4歳(前年度 35.0歳 男35.5歳、女33.9歳)
職業別構成比 不動産業33.6%、金融関係9.0%、建設関係10.0%、他業種23.3%、学生11.1%、主婦4.4%、その他8.6%

平成28年度宅地建物取引士資格試験の分析

総評

ここ数年間、宅建士試験は難問化傾向にありました。しかし、今年の宅建士試験は予想に反して基本的な問題が多く、比較的やさしい問題が大半を占めました。また、昨年の試験では直近の改正点から3問分も出題されていましたが、今年は直近の改正点からの出題がほとんどありませんでした。

権利関係

問1が民法改正案からの出題となっており、これも毎年定番となりました。民法財産法の改正が近付き、新しい民法の知識が取引士に求められているとも言えます。問4は宅建試験では頻出分野である抵当権が出題され、抵当権の中でも最もよく出題されている物上代位に関する選択肢が正解肢となっていました。物上代位に関する問題は、平成15年、17年、20年、21年、22年、24年、25年にも出題されており、多くの受験者はしっかりと準備ができていたものと思われます。ただ、これまでのように、条文や最高裁判例の事案そのままの問題ではなく、抵当権の効力がどこまで及ぶのかという点も関連した基礎的知識の有無が問われたものでした。抵当権についてはしっかりと根を下ろすような学習をしなければならないでしょう。問7は民法上の賃貸借と不法行為責任である使用者責任の複合問題となかなか興味深い出題方法でした。問8はこれも宅建試験では定番となっている転貸借の問題でした。転貸借に関する民法の規定である612条及び613条に関連する出題は、平成16年、17年、18年、21年、23年、25年、26年、27年にもありました。しかも、平成23年問7の選択肢4番と今年の問題の問8の選択肢1は、最高裁判例平成6年7月18日がベースとなっており、なおかつ、問題文自体もほぼ同じでした。転貸借の法律関係については判例学習が特に重要であると思われます。問9は平成21年の試験以降毎年1問出題されている判決文引用問題でした。今年は、平成23年04月22日の最高裁判例が題材となっていました。この判例は平成24年の問8の選択肢1でも出題されており、昨年度の試験同様、過去に出題されたことのある判例からの出題となりました。学習にあたっては最新判例も重要ですが、これまで出題されたことのある判例について事案と結論に目を通しておくとよいでしょう。問11と12は借地と借家からの出題でした。昨年度の宅建試験で賃貸借関連が4問も出題され驚いたものですが、今年も同じく4問出題されたので、この流れは定着しそうな気がします。ただ、問11と12はどちらも基本事項が解っていれば容易に答えを出せた問題でした。唯一、問11の選択肢2が平成18年1月19日の最高裁判例からの出題で、宅建試験でははじめて出題された判例でした。

法令上の制限・税法・価格評定

法令上の制限については、選択肢ごとにみると難しい問題がいくつかありました。ただ、この分野については、毎年2〜3問程度難解なものがあるので、例年通りの出題といえると思います。私は、昨年の建築基準法の改正点である建築確認や老人ホーム等の容積率の緩和措置等が出題されると予想していたのですが、1問は防火関連の複合問題、もう1問は容積率や建ぺい率に関する複合問題が出題され、後者は難問でした。また、農地法も改正点は出題されず、農地法違反の取引が無効となるという基本的な知識が分かっていれば答えが出た簡単なものでした。 税法についても、昨年のように改正点から出題されることはなく、印紙税と不動産取得税からの出題でした。両方とも過去に何度も出題されている内容からの出題でしたので、正答率は高くなると予想されます。

宅地建物取引業法等

宅建業法については、昨年同様、重要事項説明の内容からの出題は難しい問題が出されましたが、それ以外は基本的な問題で構成されていました。出題形式も昨年度の問題は個数問題(正しいもの又は誤っているものの個数を選択させる問題)が8問ありましたが、今年度は5問に留まり、逆にわりと容易に解答を導き出せる形式である組み合わせ問題(正しいもの又は誤っているものの組み合わせとして正しいものを選択させる問題)が、昨年度は1問だったのが今年度は2問に増えていました。重要事項説明からの出題である問36の選択肢イは、昨年同様、宅建業法35条1項2号の法令上の制限に関する施行令の知識が問われるものでした。2年連続で出題されている以上、今後の学習に影響がでると思われます。

免除科目

問46から50までは、登録講習を受講していれば免除される科目です。この5問が難しいと、免除対象者の合格率が高くなります。今年の問題は住宅金融支援機構法からの問題が少し難しく正答率が下がりそうですが、それ以外はやさしかったといえます。統計問題も地価公示の概要さえ覚えていればすぐに答えがでる問題でした。

次年度の宅建試験に合格するために

権利関係については、地に足の着いた学習をすることが遠回りに見えて近道です。直前期になって頻出分野の判例を暗記する付け焼刃的な勉強では合格できません。なるべく早いうちから民法財産法の全体像を意識し、それぞれの制度趣旨を理解して、過去問を最低3回は解き、重要判例は要旨をしっかりと読んでおくことが重要です。 法令上の制限・税法・不動産の評価については、頻出分野をしっかりとノートにまとめて整理して暗記する必要があります。都市計画法と土地区画整理法は全体像を意識しないとさっぱりわからなくなる法律なので、過去問だけでなく講義等も利用して学ぶことをお勧めします。 宅建業法等については、とにかく基本的な知識を、過去問を繰り返し解くことで正確に暗記することが重要です。


平成28年宅建試験 分析と正答率・次年度の傾向と対策
(オールアバウト記事 田中謙次)

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